2022年03月26日

ハルノイロキイロ

野辺散策の終わり、小径の石段をのぼりはじめた。
すると、頭のまわりを
まるで、姉妹の様な
黄色い小さな蝶たちが
上に下にと可愛らしく舞いながらついてきた。

飛んでいることが、嬉しくって確かめているみたいにちらちらとちらちらと幼い羽ばたきを見せに来る。

石段が終わると道路。
野辺と生活域の結界の様な場所にはお決まりの吹き溜まり。
流れ着いたものがちゃんと土になって。
ここにも、黄色。
まだ、生まれたて、
しなやかな緑の葉を円に広げはじめたばかり。
タンポポの花はこれも小さくも
濃くおおきさなりに、
懸命に生きている。
視線をトントントンととばす毎に、同じ様子で円に、平に座っている。

そうして、それから
綿毛になって
野原をフワリと舞い遊ぶころ、
ほんのさっきまで
しっかり幼かった子どもたちが、
黄色い帽子をかぶって通りを歩きはじめる。
儚げで淡く、薄紅色の桜。近ごろは咲く時期をすこしばかりあらためて、
卒業と入学の橋渡しの花になったようだ。

紋黄蝶、蒲公英、黄色い帽子。
春の色、黄色。
これもまたよい。
(dandelion・ ○・dandelion)/



Posted by 明くるひ at 11:20 | Comments(0)
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